平成27年度北海道高校入試数学の大問4 および大問5 の問題・解説を掲載しています。
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問4 下の図のように、関数 y = ax2 ( a は正の定数 ) ・・・① のグラフ上に、2点 A, B があります。点A の x 座標を 2、点Bの x 座標を-1 とします。点 O は原点とします。次の問に答えなさい。
問4-1 点A の y 座標と点B の y 座標との差が 6 のとき、a の値を求めなさい。
点A ( 2, y1 ) であり、点B ( -1, y2 ) とします。それぞれ式①に代入すると、
y1 = a × 2 × 2 = 4a
y2 = a × ( -1 ) × ( -1 ) = a となります。
y 座標の差が 6 ですので、
y2 – y1 = 4a – a = 3a = 6 となり、
a = 2 となります。
問4-2 a = 1 / 4 とします。線分OA の長さを求めなさい。
a = 1 / 4 とのことなので、y = ( 1 / 4 ) x2 です。
点A の x 座標は 2 ですので、点A の y 座標は、( 1 / 4 ) × 2 × 2 = 1 であることがわかります。
点A ( 2, 1 ) です。ここから線分OA の長さを求めます。
三平方の定理 ( ピタゴラスの定理 ) を使えば、OA の長さを求めることができます。
問4-3 a = 1 とします。点A と x 座標が等しい x 軸上の点を C とします。△ ABC と △ OAB において、線分ABを底辺としたときのそれぞれの高さの比を、もっとも簡単な整数の比で求めなさい。
次は a = 1 です。なかなかに忙しい問題ですね。まずは問題文が何を求めているかを整理してみましょう。
点線の比を求めろと言っているようです。では次に、わかっていること、わかることを整理してみましょう。
a = 1 なので、2次関数は y = x2 です。また問題文より
点Aの座標 ( 2, 4 ) ※ y 座標は2次関数より計算
点Bの座標 ( -1, 1 ) ※ y 座標は2次関数より計算
点Cの座標 ( 2, 0 ) ※ 問題文より
点Oの座標 ( 0, 0 ) ※ 問題文より
もわかります。次に点線の長さ(高さ)を求めることができれば、その比は簡単に求めることができますが、点線の長さを直接計算することは難しそうです。ここで、△ABC と △ OAB の面積比が高さの比と同じであることに気づくことができるかできないかがこの問題のポイントです。
△ABC の面積 = 1 / 2 × 4 ( 底辺AC ) × 3 ( A の x 座標 – B の x 座標 ) = 6 となります
次に△ ABO の面積を求めます。点 C と同様に 点 B と同じ x 座標を持つ x 軸上の点D を考えると
△ OAB = 台形 ABDC - △ BDO - △ ACO であることがわかります。
この計算をすると、△ ABO の面積は 3 となります。計算は各座標から各自でトライしてみましょう。
このことから
△ ABC の面積 : △ OAB の面積 = △ ABC の高さ : △ OAB の高さ = 2 : 1
が求められます。
問5 下の図のように、△ ABC の辺BC上に点Dがあります。3点A, B, D を通る円と、辺AC との交点をE とします。次の問に答えなさい。
問5-1 ∠ ADB = 50° のとき ∠ BEC の大きさを求めなさい。
この問題のポイントは円周角の定理です。
- 共通の弧を持つ円周角は等しい ( この問題で重要 )
- 中心角 = 円周角 × 2
必ず覚えておきましょう。補助線を引いたものが下の図になります。
∠ADB = 50° であるので、∠AEB も 50° であることがわかります。共通の弧 AB の円周角であるためです。よって、∠ BEC は 180° - 50° = 130° であることがわかります。
問5-2 AE = BD のとき、△ ACD ≡ △ BCE を証明しなさい。
なるべくわかりやすいように、ポイントとなる箇所にコメントを入れたものが下の図になります。この図を見ながらどのように証明するかを順に確認してみてください。
証明
△ ACD と △ BCE において、
∠ ACD = ∠ BCE (共通の角) ・・・ ①
∠CAD = ∠ CBE (共通の弧 ED の円周角) ・・・ ②
仮定より、∠ BAD = ∠ ABE ・・・ ③
②、③より △ CAB は ∠ CAB = ∠ CBA の二等辺三角形なので、AB = BC ・・・④
①、②、④より一辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△ ACD ≡ △ BCE
証明終わり。