モーズリーの法則 ~ 若き天才は第1次世界大戦にノーベル賞を奪われる ~

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若き悲劇の天才イギリスの物理学者であるモーズリーは第1次世界大戦に従軍したことによって、わずか26歳という若さで戦死してしまいました。戦争がなければきっとノーベル化学賞」を受賞していたことを考えると残念です。

ここでは、そんなモーズリーが発見したモーズリーの法則について掲載しています。

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モーズリーの法則

モーズリーの法則とは、『 元素が出す特性X線の波長の逆数の平方根と原子番号は比例関係にある 』 という法則になります。数式にすると、

モーズリーの法則

モーズリーの法則

λ:波長 K、s:定数 Z:原子番号

となります。

特性X線とは元素ごとに決まっている特定の波長を持つX線のことです。私には、なんのこっちゃですが。

元素の同位体(アイソトープ)

元素の同位体とは、原子番号が同じで中性子の数がことなる原子のことで、当時はまだよくわかっていませんでした。同位体によって、下記のように原子番号の小さいものが原子番号の大きなものよりも原子量が大きいといったことがおきることは後に分かっています。

原子番号27:コバルト(Co)の原子量 > 原子番号28:ニッケル(Ni)の原子量

原子番号52:テルル(Te)の原子量 > 原子番号53:ヨウ素(I)の原子量

同位体は、1910年にイギリスの科学者であるフレドリック・ソディによって発見されています。ソディは同位体の発見によってノーベル化学賞を受賞しています。

戦争さえなければ、同じイギリスのモーズリーと同時受賞なんてことも期待できたのかもしれません。

モーズリーの法則の発見によって、原子の持つ原子核の陽子の数が物質の本質的なものであることがわかりました。また、モーズリーの発見は、この後のボーアの原子模型にも繋がっていきます。

ボーアの原子模型(原子核の周りに陽子と同数の電子がある)

ボーアの原子模型(原子核の周りに陽子と同数の電子がある) wiki より

科学の楽しみ方の一つとして、『繋がり』があると思います。科学の過去の積み重ねと繋がりが理解できると、さらに科学が楽しくなるのだと思います。相対性理論のアインシュタインだって、一人でパッと思いついたわけではありません。すべては繋がりがあるのです。

偽善者まさおが思うこと

当時はヨーロッパを中心に世界中が参戦する第1次世界大戦のときです。世界中が大混乱していた時代です。時代を恨んでも仕方ありませんが、戦争はやはり残念に思います。人はもちろん、未来ある人(特に子供)まで巻き添えにしてしまいます。

戦争のために科学が発達したことは間違いないとは思いますが、戦争のせいで未来の天才たちの未来を一瞬で奪っていることも事実なんだと思います。

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