ここでは、数ⅢCで履修する数列の極限について受験対策用にポイントをまとめています。数列の極限は収束・発散・振動です。整理して理解しておきましょう。
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数列の収束
無限数列{ an }において、n が限りなく大きくなる時、an が一定の値に限りなく近づくならば、数列 { an }はαに収束するといい、α をこの数列の極限値または極限と言います。
数列の発散
数列{ an }が収束しない時、数列{ an }は発散するといいます。なお、発散には次の3つの場合があります。
発散の種類 | 内容 |
正の無限大に発散 | 数列{ an }において、n が限りなく大きくなる時、an も限りなく大きくなるならば、数列{ an }は正の無限大に発散すると言います。このとき、 an の極限値は存在しませんが、n → ∞のとき、an → ∞と書きます。 |
負の無限大に発散 | 数列{ an }において、n が限りなく大きくなる時、an が負で|an|が限りなく大きくなるならば、数列{ an }は負の無限大に発散すると言います。※|A|はAの絶対値のことです。 このとき、 an の極限値は存在しませんが、n → ∞のとき、an → -∞と書きます。 |
振動 | 数列{ an }が収束もしない、正の無限大にも負の無限大にも発散しないとき、数列{ an }は振動するといいます。 |
収束する数列の極限の定理
収束する数列の極限については、次の定理が成り立ちます。基本的なことですが、押さえておきましょう。

収束する数列の極限の定理
極限と大小関係
収束する数列の極限値の大小関係は次の定理が成り立ちます。
lim an = α、lim bn = β、であるとき ( ともに、n → ∞ )、
an ≦ bn (n = 1, 2, 3, ・・・)ならば、α ≦ β
また、次の定理も成り立ちます。はさみうちの定理と呼ばれています。
数列{an}{bn}{cn}において、
an ≦ bn ≦ Cn (n = 1, 2, 3, ・・・) かつ
lim an = α、lim Cn = α ( ともに、n → ∞ )ならば
数列{bn }も収束して lim bn = α ( n → ∞ )
数列{np}の極限(べき乗)
数列{np}の極限は、p の符号によって、次の3つの場合があります。直感的に理解できると思いますが、記号が混じるとパニックを起こしがちな管理人です。受験生のみなさんは反面教師にしましょう。
p を定数とすると、
- p > 0 ならば lim np = ∞ ( n → ∞ )
- P = 0 ならば lim np = 1
- p < 0 ならば lim np = 0