ここでは、高校生の定期試験向けに不等式が成り立つことを証明する問題をパターンに分けて解説します。高校生の皆さん、ファイト!
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問題1
|a| < 1、|b| < 1 のとき ab + 1 > a + b が成り立つことを示せ
解答・解説
まず問題文にあります、|a| < 1 は一体何を言ってるのでしょうか?日本語にすると、a の絶対値は 1 より小さいと言うことです。つまり a は -1 < a 1 の範囲にある数になりますね。この問題では b も同じですね。
なぜ、わざわざ条件をつけたのでしょうか?ここで予想しましょう。その条件でなければきっと不等式は成り立たないんだと。もしくは、条件のおかげで証明できるはずだと。
この問題は、A – B > 0 を示すことによって A > B を示すパターンの問題です。そしで因数分解を利用します。では、前置きが長くなりましたが、問題を解いていきます。
ab + 1 > a + b を示すために、(ab + 1) – (a + b) > 0 を示します。
(ab + 1) – (a + b) = ab -a – b + 1
= a(b – 1) – (b – 1)
= (a – 1)(b – 1) 因数分解でなんとかこの形に変形できるまで訓練しましょう
|a| < 1、|b| < 1 であることより、a < 1、 b < 1 なので
(a – 1) < 0、(b – 1) < 0 ですね。a < 1、 b < 1 の両辺から 1 を引いただけです。
よって、どちらもマイナスなのでマイナス同士を掛けるとプラスになりますので、(a – 1)(b – 1) > 0 であることを示すことができました。
その他のポイントとしては、|a| < 1、|b| < 1 であれば、|ab| < 1 も成り立ちます。わかりますよね。-1 から 1 の数同士をかけても 1 以上にも、-1以下にもなりませんよね。
問題2
a2 + b2 + c2 ≧ ab + bc + ca を示せ。
解答・解説
もっともわかりやすいパターンの問題ですね。平方完成するパターンです。全部の教科書にこの問題は載っているのではないかと思います。
a2 + b2 + c2 – ab – bc – ca ← 左辺から右辺の各値を引いただけです
= (2a2 + 2b2 + 2c2 – 2ab – 2bc – 2ca) / 2 ← 1/2 で括ります
= (a2 – 2ab + b2 + b2 – 2bc + c2 + c2 – 2ca + a2 ) / 2 ← ばらして並び替えました
= { (a – b)2 + (b – c)2 + (c – a)2 } / 2 ← 因数分解しました
ここまでくれば、後は着地のみです。一件落着を宣言します。
2乗した値を加算して2で割っても必ず0以上ですねよ。0 になる場合は、a = b = c のときであることもわかります。
従って、a2 + b2 + c2 ≧ ab + bc + ca であることが示されました。
問題3
|a| < 1、|b| < 1 のとき、|ab + 1| > |a + b| であることを示せ
解答・解説
次は、示したい部分が絶対値になっています。条件は、問題1と同じですね。この問題のように、絶対値や根号(√)が入っているような問題は両辺を2乗して、差分をとるパターンが多いです。悩んだ場合は、2乗して差分、因数分解の順でとりあえずやってみましょう。
|ab + 1| > |a + b| を示すには、|ab + 1|2 > |a + b|2 を示すことができればよいので、差分をとって、
|ab + 1|2 – |a + b|2 とします。ここでのポイントは絶対値を2乗すると絶対値ははずしても良いことです。
|Z|2 = Z2 ですよね。必ずマイナスはなくプラスになりますね。ということで前の式を展開します。
|ab + 1|2 – |a + b|2
= a2b2 + 2ab + 1 – (a2 + 2ac + b2)
= a2b2 – a2 – b2 + 1
= a2(b2 – 1) – (b2 – 1)
= (a2 – 1)(b2 – 1) とりあえずここでステイです。次は前提条件からアプローチします。
|a| < 1、|b| < 1 より、|a|2 < 1、|b|2 < 1 であることがいえますので、
|a|2 – 1 < 0、|b|2 – 1 < 0 であり、さらに絶対値が外れて、a2 – 1 < 0、b2 – 1 < 0 となります。
マイナス同士の乗算はプラスなので、 (a2 – 1)(b2 – 1) > 0 であることが示せました。
1週間ほど前にヘルニア悪化で痛すぎる注射打ちました。友人はあれが気持ち良いと言ってましたが。。。