平成24年 長野県高校入試 ( 数学 ) で正答率が 0.5 % という超難問が出題されました。ここではその問題の解説を行っています。
200人に1人の割合で正解しているのであれば、そこまで難問ともいえないかもしれませんが。
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( 1 )
( 1 ) の解説
( 1 ) は多くの受験生が回答できたと思いますが、難問の ( 2 ) の前に腕試しです。
① では、線分AP が円 O の直径となるときの座標を求める問題です。円の直径と等しくなるときは、AOP が一直線上にあるときです。P は秒速 2cm で進むので、一直線上になる1回目は3秒後です。そして、6秒後に A に戻ってきて、それから 3秒後の 9秒後にまた一直線上にいることがわかります。
よって、図2のグラフでは、x 座標が 9 であることがわかります。x = 6, y = 0 で1秒ごとに 2cm 進むことから y 座標は 2 × 3 = 6 であることもわかります。
よって ① は ( x, y ) = ( 9, 6 ) です。
② を見ていきます。
① から求める直線は ( x, y ) = ( 9, 6 ) , ( 6, 0 ) の2点を通る直線であることがわかります。ここから、直線を求めます。計算は省略しますが、
② は、y = 2x – 12 となります。
( 2 )
( 2 ) の解説
いよいよ超難問の ( 2 ) です。
①の ( ア ) でいよいよ Q が動き出します。P とは逆方向で秒速 3cm 進みます。問題文では 0 < x ≦ 4 の範囲とあります。4秒後には Q は 12 cm 進みますので1周分の範囲であることがわかります。
また、問題文より x = 0 のとき y = 12, 1秒 経過ごとに y は 3 cm 減ります。 このことから、傾きは -3 であり、切片 12 の直線であることがわかりますので、
① ( ア ) y = -3x + 12 が求まります。
① ( イ ) では4回目に線分 PQ と線分 AB が平行になるときの時間を求めます。ただ、4回目ということに惑わされてはいけません。1回目に平行になるまでの時間、1回目から2回目までの時間は等しくなることに気づけば、この問題は攻略したも同然です。1回目に平行となる時間 × 4 が4回目に平行になる時間です。
1回目に平行になるまでの時間を t とすると以下の式が成り立ちます。
Qが進む距離 + P が進む距離 = 円周
より
3t + 2t = 12
t = 12 / 5
つまり、4回目に平行になる時間は ( 12 / 5 ) × 4 = 48 / 5 秒後であることがわかります。
問題文より、AB = PQ のときは平行とは言わないとありますが、そのよううになるのはスタート時点だけのようです。スタート時は1回目と数えないことを言いたいだけのようです。
② も ① ( イ ) と考え方は同じです。7秒後に3回目の平行となることから、1回目に平行になるのは ( 7 / 3 ) 秒後であることがわかります。P, Q が ( 7 / 3 ) 秒で、あわせて 12 cm 進めばよいので、a について以下の方程式が成り立ちます。
Qが進む距離 + P が進む距離 = 円周
(7 / 3) × a + ( 7 / 3 ) × 2 = 12
を a について解くと
a = 22 / 7 となります。
超難問と言うよりは、時間配分ミス、あせりなどから正答率が低かったような印象を受けます