[ 高校入試超難問 ] 平成24年 埼玉県数学 問3 ( 正答率 0.4 % ) の解説

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平成24年 埼玉県高校入試 ( 数学 ) で正答率が驚異の 0.4 % という超難問が出題されました。埼玉県議会では「適切な問題か?それ?」などと議論を呼んだそうです。ここでは、その問題の解説を行っています。

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問3

下の図で、曲線は関数 y = ax2 のグラフであり、曲線上に、 x 座標がそれぞれ -5, 5 の点 A, B をとります。点A を通り傾きがこの曲線の式の係数と同じ a である直線と、この曲線との交点を D とします。点B から直線 AD へ垂線をひいたときの交点を C としたとき、点C の x 座標は正であり、△ ABC の面積が 20 cm2 となりました。このとき、次の各問に答えなさい。ただし、a > 0 とし、座標軸の単位の長さを 1 cm とします。

(1) a の値を求めなさい。

(2) 線分 CD の長さを求めなさい。


解説

パッと見たところ、特に難問な雰囲気は感じませんが、確認していきましょう。きっとトリックがあるはずです。

点A, B の x 座標がわかっているので AB = 10 であることがわかります。△ ABC の面積は 20 ですので、AB を底辺として面積を求めるために下のずのように点 C から AB に向かって垂線をひきます。また、AC と y 軸の交点を Q , AB と y 軸 の交点を R とします。

 △ ABC の面積が 20 なので、AB(10) × CH / 2 = 20 であることから、CH = 4 であることがわかります。次に △ AQR と △ ACH は相似です。一目瞭然です。そうなるように CH をひきました。

もう1つ △ ACH と △ CBH も相似あることに着目します。

相似の証明

∠ AHC = ∠ CHB = 90° ・・・①
∠ ACB = ∠ ACH + ∠ BCH = 90°
∠ ACH + ∠ CAH = 90° より

∠CAH = ∠BCH  ・・・ ②

①、② より、△ ACH ∽ △ CBH

ここから、AH : CH = CH : BH の比率を考えます。

AH = h とおくと

h : 4 = 4 : ( 10 –  h )

h ( 10 – h ) = 16 から h を解くと

h = 8, 2 となりますが、h > AR ( 5 ) であることから、

h = 8 となります。

直線 y = ax + b の傾きは CH / AH なので、a = 4 / 8 = 1 / 2 であることがわかります。

次に、線分 CD の長さを求めます。わかりやすいように同じ図を再掲載します。

曲線の方程式は y = ( 1 / 2 )x2 であることがわかりました。しかし直線の傾きはわかりましたが、切片がまだわかっていませんので、切片を求めます。点 A の座標は ( -5, 25 / 2 ) であり、直線 y = ( 1 / 2 ) x + b も点Aを通ることから、

25 / 2 = ( 1 / 2 ) × ( -5 ) + b から b について解くと b = 15 であることがわかります。よって直線の方程式は y = ( 1 / 2 ) x + 15 となります。ここまでくれば、正答率 0.4 % の超難問も普通レベルの問題です。Q の座標は ( 0, 15 ) であることがわかります。

点 C の x 座標は AH = 8 ですので、3 であることから、直線の方程式に代入して、y = ( 1 / 2 ) × 3 + 15 = 33 / 2 です。

点C ( 3, 33 / 2 ) 

直線と曲線の方程式を解くと、点 A , D の座標がわかります。

( 1 / 2 )x2 =  ( 1 / 2 ) x + 15 を解いて、交点の x, y 座標を求めます。計算はレッツトライ!

点A ( -5, 25 / 2) 

点D ( 6, 18 )

点C と点D の座標がわかりましたので AD の距離は ピタゴラスの定理から求めることができます。

CD2 = ( 6 – 3 )2  + ( 18 – ( 33 / 2 ) )2

これを計算して、CD = 3√5 / 2 が求まります。

 

点 Q、R は余り登場しませんでした。。。。。。

 

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