大気圧について考えてみようと思います。大気圧は地上では高く、山などの標高の高い場所では低くなります。これは空気が薄いからですね。空気が地球の重力によって標高の低い地上付近に引き寄せられているからなんですね。
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知ってましたか?地上では水を暖めると100℃で沸騰して水蒸気になりますが、標高の高い場所では、空気が薄い(気圧が低い)ため 100℃ よりも低い温度で水が沸騰しちゃうんですね。だからカップラーメンが美味しくできないなんて困った状況も起きるわけなんです。
前置きが長くなりましたが、大気圧について考えてみようと思います。まずは、1気圧の定義は以下のようになっています。
1気圧 = 1013 hPa = 760mmHg
hPa はヘクトパスカル mmHg は、「ミリ水銀」や「
日本では、1992年12月1日からミリバールがヘクトパスカルに変わりました。当時は天気予報を聞いていて違和感ありましたが、今はとっくに慣れましたね。
トリチェリの実験
トリチェリさんという物理学者が、水銀を使って大気圧の計測を行いました。実験手順はシンプルで、下図のように水銀で満たしたガラス管をひっくり返して待ちます。

ガラス管は水銀で満たされている状態
すると、ちょうど 760 mm のところで停止します。これは大気圧と釣り合った状態だからです。

時間が経過すると水銀は落ちてくる
そして、この水銀が大気圧と 760 mm で釣り合うことから、1気圧が 760mmHg とされています。
1013 hPa は計算
1気圧が 760 mmHg であることはどのようにして決まっているかはわかりましたが、普段天気予報などで使用される単位であるヘクトパスカルを使用した 1気圧 = 1013 hPa はどのように求められるのでしょうか。
なお、ヘクトパスカル (hPa) の計算は高校生の学習内容となりますので、中学生の方は結果を覚えておくだけで良いですよ。
そもそも パスカルとはどのような単位でしょうか。1 Pa = 1 N/m2 です。また、100 Pa = 1 hPa です。このことから、上図のガラス管の底面積が 1 m2 、 高さが 760 mm 分の水銀の力を計算すればよいことになります。力は、運動方程式 F = ma を使って計算します。また、水銀の質量は水銀の密度および体積から求めることができます。
これらの計算を行うと、大体
1気圧 ≒ 101300 N/m2 = 101300 Pa = 1013 hPa
のように計算で気圧を求めることができます。
記録
ここまで気圧についてみて来ましたが、日常で使用される気圧では天気予報ですね。ここでは、台風と気圧のデータを見てみましょう。基本的に気圧が低ければ低いほど大きな台風で被害も大きくなります。気象庁のHPによると、過去上陸直前の台風で気圧が低かった台風は、
1.第二室戸台風
1961年9月16日 高知県室戸岬 上陸時の気圧 925 hPa
2.伊勢湾台風
1959年9月26日 和歌山県潮岬 上陸時の気圧 929 hPa
参考記録:統計開始以前のため 室戸台風
1934年9月21日 室戸岬 上陸時の気圧 911.6hPa
の順のようです。
アメリカなどで発生するハリケーンはもっと巨大です