ここでは、高校化学で履修するコロイド溶液について、その特性や種類について一覧形式で掲載してあります。受験対策にも活用いただけると思います。
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コロイド溶液
コロイド溶液とは、粒子が液体に溶けているもので、コロイド溶液は溶けている粒子の直径が10-9~10-7 [m] の大きさのものを言います。
溶液 | 粒子 | 半透膜 | ろ紙 |
---|---|---|---|
真の溶液 | 小さい分子やイオン | 通す | 通す |
コロイド溶液 | コロイド粒子 | 通さない | 通す |
沈殿 | 大きな粒子 | 通さない | 通さない |
コロイドと流動性
コロイドの中でも流動性を持つものと持たないものは、それぞれゾルとゲルと呼ばれます。
名前 | 内容 | 例 |
---|---|---|
ゾル | 流動性あるコロイド | セッケン水 |
ゲル | 流動性の失ったコロイド | 豆腐、寒天 |
固体コロイド | 固体 | 軽石、スポンジ |
気体コロイド | 気体 | 煙、霧 |
コロイド溶液の特性
コロイド溶液には次の特性があります。下表を確認してみましょう。
特性 | 内容 |
---|---|
チンダル現象 | コロイド溶液に光を当てると、コロイド粒子が光を乱反射することによって光の通路が明るく見える |
ブラウン運動 | コロイド粒子の不規則な運動のことで、分散媒分子の熱運動によるコロイド粒子への衝突 |
電気泳動 | 電気泳動はコロイド溶液中に直流電圧をかけるとコロイド粒子が一方の電極に移動する。これは、コロイド粒子が同種の電荷を帯びていることを示している |
透析 | 透析とは、イオンや小さい分子を流水中に分離してコロイド粒子を精製する操作です。コロイド粒子が半透膜を通さないことを利用する。 |

チンダル現象
コロイド溶液の種類
コロイド溶液の種類には次のようなものがあります。
- 疎水コロイド
凝析するコロイド溶液で少量の電解質で沈殿します。
- 親水コロイド
塩析するコロイド溶液で多量の電解質で沈殿します。
- 保護コロイド
疎水コロイドに加えた親水コロイドで、凝析しにくくなります。
- 分子コロイド
高分子化合物で、分子1つがコロイド粒子です。
- ミセルコロイド(会合コロイド)
界面活性剤の分子が集まってできたコロイド粒子です。
コロイド粒子の電荷
- 正コロイド
コロイド粒子が正に帯電したもので、電気泳動で陰極に移動します。凝析力は、価数の大きい陰イオンが大きくなります。
例)PO43- > SO42- > Cl-
- 負コロイド
コロイド粒子が負に帯電したもので、電気泳動で陽極に移動します。凝析力は、価数の大きい陽イオンが大きくなります。
例)Al3+ > Ca2+ > Na+
ポイント
- 水酸化鉄(Ⅲ)は正コロイド、粘土は負コロイドで覚えておくと便利
- コロイド粒子が同種の電荷を帯びているので、互いに反発して沈殿しない。電解質水を加えると、電荷が失われて沈殿する(凝析)