[ 在庫管理 ] 定量発注方式の発注点を計算する

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定量発注方式とは、在庫量があらかじめ決められた量になったら、一定量を発注する方式のことを言います。なお、一定量とは、経済発注量のことを指します。経済発注量について知りたい場合は、以下のページを参照ください。

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定量発注方式(発注店方式)を利用すれば、発注点と発注量で在庫管理を行います。発注量は経済発注量で計算できるので、後は、発注点の求め方がわかればよいことになります。

発注点の決め方

現実の世界では、調達期間と需要が一定ということは余り考えられません。調達期間が予定よりも遅れたり需要が考えていたよりも多くて在庫がなくなることも考えられるでしょう。品切れの状態ですね。自他蛾って調達期間、需要とも変動があることを想定した「余裕」を考えておく必要があります。この「余裕」のことを残全在庫と言います。これらから、発注点は以下のように求めることができる。

発注点 = 平均調達期間 × 平均需要 + 安全在庫

しかし、実態は、

発注点 = 最大調達期間 × 平均需要 + 安全在庫 

え考えることが多く、安全在庫の計算は以下の式で求めています。

安全在庫 = 安全係数 × 最大調達期間の平方根 × 需要の変動

また、需要の変動は標準偏差で、以下の式で求めます。ただし、実際の計算では、分散で 1/ N している部分は、1 / (N – 1) で計算します。そのほうが精度が高く計算できるためです。

標準偏差の求め方

標準偏差の求め方

例題

では、ある製品について、最大調達期間を10日、品切れ率を5%として、発注点を求めてみたいと思います。過去15日間の需要データは以下のとおりで平均需要量が10個であったとします。

需要量(個) 平均(10個)との差 分散(平均との差の2乗)
1  10 0 0
2  8 -2 4
3  5 -5 25
4  12 2 4
5  10 0 0
6  8 -2 4
7  9 -1 1
8  7 -3 9
9  15 5 25
10  15 5 25
11  11 1 1
12  9 -1 1
13  8 -2 4
14  13 3 9
15  10 0 0
150  - 112

また、品切れ率と安全係数の定義を以下とすると、今回使用する安全係数は1.65であることがわかります。

品切れ率 安全係数
2.5% 1.96
5.0% 1.65
10.0% 1.28

発注点は、以下の式で求めることができます。

発注点 = 最大調達期間 × 平均需要 + 安全係数 × 最大調達期間の平方根 × 需要の変動

最大調達期間:10日
平均需要:10個
安全係数:1.65
最大調達期間の平方根:√10
需要の変動:112 / (15 – 1) の平方根

から発注点を求めると、発注点 ≒ 115個 となります。

需要の増加による在庫不足も問題ですが、需要の減少による在庫のダブつきも困ったものです

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One thought on “[ 在庫管理 ] 定量発注方式の発注点を計算する”

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